金属3Dプリンター造形材料
「ニッケル合金 ALLOY IN718 」

「ニッケル合金 ALLOY IN718 」の特長

インコネルは、ハステロイ同様にNiの含有率がオーステナイト系ステンレス鋼の8～15％、マルテンサイト系のステンレス鋼の4～9％に対し40％以上であり、Niを主成分とするNi基合金である。Niの含有量が多い事で耐食性に優れており腐食防止処理を必要としない。耐熱性に於いても高温化で高強度、耐酸化性を保つ。
このNi基合金は、固溶強化型合金とγ’析出強化型合金がありインコネルはγ’析出強化型合金となる。γ’析出強化型合金は高温強度は高いが、Al、Tiなどの活性金属元素を含むため真空溶解が不可欠であり、γ’量が多い合金になると熱間および冷間加工や溶接が困難になる。
ニッケル合金 ALLOY IN718 は700℃までの高温下で良好な強度を発揮する。700℃以上の環境下で強度は急激に低下するため使用には注意が必要。

「ニッケル合金 ALLOY IN718 」の成分表

（単位：％）

成分	Ni	Cr	C	Mn	Si	Cu	Mo	Co	Nb
従来材（代表値）	50.0～55.0	17.0～21.0	≦0.08	≦0.35	≦0.35	≦0.30	2.80～3.30	≦1.00	4.75～5.50
	Al	Ti	B	P	S	Pb	Se	Bi	Fe
	0.20～0.80	0.65～1.15	≦0.006	≦0.015	≦0.015	5ppm	3ppm	0.3ppm	bal
成分	Ni	Cr	C	Mn	Si	Cu	Mo	Co	Nb
粉末材（代表値）	50.0～55.0	17.0～21.0	≦0.08	≦0.35	≦0.35	≦0.30	2.80～3.30	≦1.00	4.75～5.50
	Al	Ti	B	P	S	Pb	Se	Bi	Fe
	0.20～0.80	0.65～1.15	≦0.006	≦0.015	≦0.015				bal

「ニッケル合金 ALLOY IN718 」の機械的性質

	従来材	造形後	（参考値）	溶体化熱処理： 980℃×1hr, 空冷時効熱処理： 720℃×8hr, 620℃まで炉冷, 620℃×8hr, 空冷（参考値）
引張強さ[MPa]	1010～1110	水平方向（XY方向）	1060±50	-
引張強さ[MPa]	1010～1110	垂直方向（Z方向）	980±50	1400±100
0.2%耐力[MPa]	1034～1176	水平方向（XY方向）	780±50	-
0.2%耐力[MPa]	1034～1176	垂直方向（Z方向）	634±50	1150±100
弾性率[GPa]	205	水平方向（XY方向）	160±20	-
弾性率[GPa]	205	垂直方向（Z方向）	-	170±20
伸び[%]	12～17	水平方向（XY方向）	27±5	-
伸び[%]	12～17	垂直方向（Z方向）	31±5	15±3
硬さ[HV]	354～382	水平方向（XY方向）	302	470
面粗さRa [μm]	ーーー	造形後	5±2(ｱｯﾌﾟｽｷﾝ,側面) 20±5(ﾀﾞｳﾝｽｷﾝ)
面粗さRa [μm]	ーーー	ブラスト後	3±1(ｱｯﾌﾟｽｷﾝ,側面) 20±5(ﾀﾞｳﾝｽｷﾝ)