金属3Dプリンター造形材料
「チタン(Ti64)」
「チタン(Ti64)」の特長
チタンは、次の特徴を備えた材料です。
- 海水や塩水に強く錆びにくい高耐食性。
- 溶融温度が約1,660℃と高く、鉄の約1,530℃、銅の約1,080℃と比較して高い耐熱性材料。
- 引張強度が鉄が約200Mpa程度に対して純チタンで320Mpa、チタン合金で980Mpaと高強度。
- 比重が4.7g/cm3と鉄の7.87g/cm3に比べ軽く、軽量材料。
チタンは、純チタンとチタン合金に分かれます。純チタンは1種から4種に分かれます。
チタン合金は、ニッケルやアルミニウムなどを混ぜて作られることで純チタンより耐食性や強度を向上させることが出来ます。
「チタン(Ti64)」の成分表
(単位:%)
成分 | C | H | O | N | Fe | Ti | Al | V |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Ti-6Al-4V (64Ti) JIS60種 |
≦0.08 | ≦0.20 | ≦0.05 | ≦0.40 | 5.5~6.75 | 3.5~4.5 | ||
Ti64 粉末 | <800ppm | <150ppm | <2000ppm | <500ppm | <3000ppm | bal. | 5.5~6.75 | 3.5~4.5 |
「チタン(Ti64)」の機械的性質
Ti-6Al-4V (Ti64) JIS60種 |
造形後 | (参考値) | 800℃×4hr (参考値) |
|
---|---|---|---|---|
引張強さ [MPa] |
960 | 水平方向(XY方向) | 1290±50 | 1100±40 |
垂直方向(Z方向) | 1240±50 | 1100±40 | ||
0.2%耐力 [MPa] |
825以上 | 水平方向(XY方向) | 1140±50 | 1000±50 |
垂直方向(Z方向) | 1120±80 | 1000±60 | ||
弾性率 [GPa] |
110 | 水平方向(XY方向) | 110±15 | 110±15 |
垂直方向(Z方向) | 110±15 | 110±15 | ||
伸び [%] |
10 | 水平方向(XY方向) | 7±3 | 14.5±2 |
垂直方向(Z方向) | 10±3 | 14.5±2 | ||
硬さ [HV] |
320 | 水平方向(XY方向) | 320±12 | - |
面粗さRa [μm] |
- | 造形後 | 13±2(アップスキン,側面) 20±5(ダウンスキン) |
|
ブラスト後 | 7±1(アップスキン,側面) 20±5(ダウンスキン) |
「チタン(Ti64)」の用途
ジェットエンジン部品、医療、半導体設備、産業用タービン
「チタン(Ti64)」の造形事例
関連情報
- 金属3Dプリンター造形材料:ステンレス鋼(SUS316L)
- 金属3Dプリンター造形材料:ステンレス鋼(SUS630)
- 金属3Dプリンター造形材料:ニッケル合金 ALLOY IN718
- 金属3Dプリンター造形材料:ハステロイ
- 金属3Dプリンター造形材料:マルエージング鋼
無料
技術資料
精密加工 技術ハンドブックVol.2
~金属3Dプリンター~
超精密微細加工技術のパイオニアである東レ・プレシジョンの様々な技術をご紹介する、技術資料(PDF)をご提供しています。是非この機会にダウンロードいただき、お役立てください。

資料概要
- ●金属積層造形について
- ●設計ルールについて
- ●サポート例及びサポート回避策
- ●サポートの除去手段
- ●金属積層造形の事例
- ●材料特性一覧
- など
- 当社のご紹介
-
東レ・プレシジョンは超精密微細加工技術のパイオニアです。
1955年の創業以来、合成繊維製造のキーテクノロジーである紡糸用口金を製造し、日本はもちろん世界の合繊業界の発展に貢献して参りました。
この間に培ってきた精密微細加工技術の経験とノウハウは、現在では半導体、計測・検査、航空・宇宙、医療機器など、様々な産業分野に広く活かされています。
- お困りの際は、まずご連絡ください。
随時受け付けております。 - ご相談・ご依頼はこちら