金属3Dプリンター造形材料
「ニッケル合金」

「ニッケル合金」の特長

ニッケル合金は、インコネル同様にNiの含有率がオーステナイト系ステンレス鋼の8~15%、マルテンサイト系のステンレス鋼の4~9%に対し40%以上であり、Niを主成分とするNi基合金である。このNi基合金は、固溶強化型合金とγ’析出強化型合金がありニッケル合金は固溶強化型合金となる。
固溶強化型合金は、高温強度が低く熱間、冷間の加工性が良いことから板、管などの形状に加工しやすく板金加工、溶接などの二次加工性にも優れている。
ニッケル合金はNiの含有率が多い事で耐食性に優れており腐食防止処理を必要としない。耐熱性に於いては、高温化でも高強度、耐酸化性を保ち1200度まで耐える。
ニッケル合金は、Moによる固溶強化で高温強度を高めている。

「ニッケル合金」の成分表

(単位:%)

成分 Ni Cr Mo W Fe C Si Co
従来材
(代表値)
47 22 9 0.6 18.5 <0.15 <1
Mn S P B Se Cu Al Ti
成分 Ni Cr Mo W Fe C Si Co
粉末材
(代表値)
Bal 20.5~23.0 8.0~10.0 0.2~1.0 17.0~20.0 ≦0.1 ≦1.0 0.5~2.5
Mn S P B Se Cu Al Ti
≦1.0 ≦0.03 ≦0.04 ≦0.01 ≦0.005 ≦0.5 ≦0.5 ≦0.15

「ニッケル合金」の機械的性質

従来材 造形後  (参考値) AMS 2773
溶体化熱処理:
1177℃×1hr
(参考値)
引張強さ[MPa] 550~900 水平方向(XY方向) 840±40 730±40
垂直方向(Z方向) 720±40 690±40
0.2%耐力[MPa] 790以下 水平方向(XY方向) 675±50 330±50
垂直方向(Z方向) 570±50 330±50
弾性率[GPa] 17~22
[ ×104 N/mm2 ]
水平方向(XY方向) 195±20 200±20
垂直方向(Z方向) 175±20 190±20
伸び 45以下 水平方向(XY方向) 29±8 45±6
垂直方向(Z方向) 39±8 52±6
硬さ 260以下 水平方向(XY方向) 180
面粗さRa [μm] 造形後
ブラスト後 5±2

「ニッケル合金」の用途

航空宇宙関連のガスタービン部品、工業用炉、石油化学炉

関連情報

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1955年の創業以来、合成繊維製造のキーテクノロジーである紡糸用口金を製造し、日本はもちろん世界の合繊業界の発展に貢献して参りました。
この間に培ってきた精密微細加工技術の経験とノウハウは、現在では半導体、計測・検査、航空・宇宙、医療機器など、様々な産業分野に広く活かされています。