溝加工の種類とポイント

溝加工の種類や加工のポイント、超微細溝加工についてご紹介します

溝加工の種類

溝加工とは任意面に対し凹凸を形成するもので、その工法によって形成される溝品質は様々です。溝を形成する手段は下表のとおり多数存在します。弊社で対応している代表的な分類は下表のようになります。

大分類 加工原理 加工方法 加工形状精度 使用する工作機械 加工方法の概要
機械
加工法
除去
加工
切削
加工
引切り
加工
±0.5μm~ 超精密切削加工機 ダイヤモンド工具とワークを高い精度で相対運動させて加工する方法。ダイヤモンド工具の形状をそのままワークに転写させることから非常にシャープな形状を加工できる。
旋盤
加工
±5μm 旋盤、NC旋盤 ワークを回転させ、そこに刃物(バイト)を押し当ててワークを加工していく方法。
フライス
加工
±5μm フライス盤、マシニングセンタ 固定したワークに、回転する刃物を押し当てて削り出す方法。
穴あけ
加工
±1μm マシニングセンタ、超高精度高速微細加工機 回転するドリルをワークに押し込み、穴をあける方法。
研削加工 ±1μm 高精度平面研削盤 高速で回転する砥石をワークに当て込み、表面を削り取って加工する方法。
成形加工 プレス加工 ±1μm 超高精度高速微細加工機 強い力でワークを型に押しつけ変形させることで形状を賦形する方法。
電気加工法 放電加工 形彫り放電 ±5μm~ 放電加工機 放電の際に発生するアークによってワーク表面を、形形状に沿って弾き飛ばして加工する方法。
ワイヤ放電 ±5μm~ ワイヤ加工機 電極(ワイヤ)とワーク間に発生した高熱(アーク放電)によりワークを溶融して切り出す手法。
化学的加工法 腐蝕加工 エッチング加工(切出し) ±10μm
(参考値)
※協力会社 専用化学用液で、金属表面を腐蝕作用により、金属溶解する加工手法。
高エネルギー加工法 レーザー加工 熱レーザー加工 ±20μm~ 熱レーザー加工機 レーザー照射により、光エネルギーを収束させ高温で切断加工する方法(熱加工)。
非熱レーザー加工 ±10μm~ 超短パルスレーザー加工機 光エネルギーがワークに吸収される前(熱変換される前)に除去する加工(非熱加工)。
イオンビーム加工 FIB加工 ±0.1μm~ 集束イオンビーム加工機 集束させたイオンビームを加工したいワークに照射し、表面の原子を弾き飛ばすことで除去加工する方法。

弊社では、機械加工、電気加工、高エネルギー加工を得意としており、各種高精度な機械を用いて溝加工を行っております。

溝加工を行う上でのポイント

求める溝形状や目的、精度に合わせて適切な工法を選択することが重要です。
高い溝精度が要求される場合、材料選定や使用する工具との相性、適切な加工条件を考慮する必要があります。材料選定や加工条件が適切でないと、狙った寸法に入らなかったり、工具が破損したりするリスクが有ります。
弊社では豊富な加工実績からお客様のご要望に合わせて材料選定から加工条件まで検討し提案させて頂きます。

 

超微細溝加工について

 

〈概要〉

通常の精密加工オーダーがマイクロメートルなのに対し、超精密溝加工ではサブマイクロメートル、ナノメートルオーダーで加工できるのが特徴です。ワークと工具(工作機械)を高精度に相対運動させることで、工具の刃先形状をワークに非常に高い再現性で転写します。機械指令値である分解能は1nm単位で数値制御され、さらに熱膨張による影響を防ぐため、室温が恒温に維持された環境で加工が行われます。工具材質にはダイヤモンドが適用され、非常に高い精度(±1μm)で工具形状を設計製作できることから高精度な形状加工に適しております。

これら特徴からナノレベルの加工を実現させるのは、下記要素が必要不可欠になります。

①ナノスケール分解能を有した工作機械
②高精度な工具(ダイヤモンド工具)
③設備環境(厳しい室温管理、振動制御)
④高い加工技術、ノウハウ(マシンオペレーター、工程管理能力)

弊社には上記要素が全て揃っており、加工実績のない形状であっても、過去の実績と蓄積したノウハウによってお客様のご要望に応えます。

 

〈弊社における超微細溝加工の特徴〉

・最大ワークサイズ1500mm×900mmまで対応可能
・NiPめっき、銅、アルミ、SUS材、樹脂材料、セラミックス材に対応可能
※難削材、その他の場合は要相談
・樹脂成型用金型製作から、既存製品への追加工まで広く対応可能

【活用分野・用途例】
光学分野:導光版、レンズ、ディスプレイ
医療分野:マイクロ流路、研究用サンプル金型
航空分野:筐体パーツ、実験用試験片

 

こんな時にご相談ください

超微細溝加工を使用した製品はこちら

当社のご紹介

東レ・プレシジョンは超精密微細加工技術のパイオニアです。

1955年の創業以来、合成繊維製造のキーテクノロジーである紡糸用口金を製造し、日本はもちろん世界の合繊業界の発展に貢献して参りました。
この間に培ってきた精密微細加工技術の経験とノウハウは、現在では半導体、計測・検査、航空・宇宙、医療機器など、様々な産業分野に広く活かされています。