金属3Dプリンターとは?
造形方式から適応材料、メリット・デメリット、
活用分野までご紹介!

金属3Dプリンターとは?造形方式から加工する金属、メリット・デメリット、活用分野までご紹介!

様々な分野で活用が進む3Dプリンター。
従来工法では製作できなかった複雑な形状の部品を製作できることから、産業用としての活用が進んでいます。
その中でも、金属材料を造形できる金属3Dプリンターに注目が集まっています。

今回は、その金属3Dプリンターとは何か、造形方式から適応材料、メリット・デメリット、活用分野まで解説します。

金属3Dプリンターとは

金属3Dプリンターとは、金属加工法の一つである「金属積層造形」を行うことのできる機械です。

金属積層造形は、まず金属粉末で薄い層を作り、必要箇所にレーザーを照射して粉末を溶融凝固させます。
さらに粉末の層を重ね、同じ工程を繰り返し、形作っていきます。これにより、3DCADで作成した3Dモデルのような製品を造形することが可能です。

従来の3Dプリンターに使用する原料の多くは樹脂材料でしたが、この金属材料を用いる3Dプリンターの活用も進んでいます。

金属3Dプリンターの造形方式

金属3Dプリンターの造形の仕組みは、造形方式によって変わってきます。
代表的な造形方式の概要と特徴をご紹介します。

●パウダーベッド方式(粉末床溶融結合方式)

最も多いのはこのパウダーベッド方式です。粉末床溶融結合方式とも呼ばれており、金属粉末を敷き詰め、レーザーや電子ビームで造形する部分のみを溶融・凝固させ、それを繰り返すことで造形します。
この方式では、精度の高い造形が行えるメリットがあります。

●メタルデポジション方式(指向性エネルギー堆積法)

メタルデポジション方式は、金属粉末の噴射とレーザービームの照射を同時に行い、溶融した金属材料を積層・凝固させて造形する方法です。
造形スピードが高速であるというメリットがあります。

●バインダージェット方式

バインダージェット方式は、金属粉末に、バインダーと呼ばれる液体の結合剤を噴射することで金属粉末を固め、造形を行う造形方式です。つまり、パウダーベッド方式のレーザービームや電子ビームを、液体のバインダーに代替したものです。
造形スピードが高速であり、複雑な形状の造形が可能といったメリットがあります。

●FDM(熱溶解積層)方式

FDM(熱溶解積層)方式は、金属粉末にバインダーを混合した材料を積層することで造形を行う方式です。樹脂材料を用いる一般的な3Dプリンターと同様の造形方式です。

金属3Dプリンターの主要メーカーとしては、「EOS」や「GE Concept-Laser」、「SLM Solutions」、「TRUMPF」、「3D System」があります。当社は、EOS M290 2台、TRUMPF TruPrint1000 1台所有しております。

金属3Dプリンターで使用される主な金属材料

金属3Dプリンターで使用される主な金属材料

金属3Dプリンターでは、一般的に次のような金属材料が使われます。それぞれの特長や用途などをご紹介します。

●チタン

軽量で、生体との親和性が高いことから、航空機のほか、歯科用インプラント等の医療分野にも使われます。

●インコネル

耐熱性が高いことから、航空機、自動車関連用途で使われます。

●ステンレス

耐蝕性が高く、一般的な機械部品のほか食品や薬品の製造機器の部品などにも使われます。

●タングステン

遮蔽性能や耐熱性に優れる一方、加工が難しいといわれますが、高い加工技術を有する場合に、金属3Dプリンターにて造形されています。医療分野の画像診断装置、放射線検査装置、装飾品などにも使われます。

●マルエージング鋼

航空・宇宙分野の構造材として開発された経緯がある金属で、硬度や靭性、強度などの高い特殊鋼です。高硬度であることから、医療、機械部品、バネや金型などに利用されています。

金属3Dプリンターのメリット・デメリット

金属3Dプリンターには、メリットもデメリットもあります。
それぞれについて紹介します。

メリット

・複雑形状の造形が可能

金属3Dプリンターは、造形できる金属部品の形状の自由度が高いのが大きなメリットです。従来の加工では不可能な形状も造形できることから、性能向上や軽量化が求められる分野に広く活用されています。また、製作部品が万が一破損してしまった場合、3DCADデータがあれば、再製作することができ製品改良も容易に行えます。

・短期間で試作品を製作しやすい

3DCADデータがあれば、すぐに製作できるということから、試作品を短期間で製作できるというメリットがあります。金型を製作しなくてもよいといった、コストを下げることができることもあるため、新規に金属部品の開発を行いたいというシーンにでも手軽に行えます。

・多品種少量製造が可能

金属3Dプリンターがあれば、基本的にコストは1回の造形時間と材料費のみとなります。 一度の造形で製作可能な限り同時に造形することでコストを抑えることも可能です。また、形状を細かく変更して多品種の製作も可能です。これにより、従来の製作では高コストとなっていた多品種少量製造が容易に行えます。

デメリット

・造形方式に合わせた知識が必要となる

金属3Dプリンターは、造形方式が複数あることを紹介しました。利用する機械ごとにその造形方式の知識を持ち合わせている必要があります。

・造形後に加工が必要なケースもある

熱ひずみが生じたり、表面粗さが粗かったり、造形の過程で造形物を支持するためのサポート部材が必要なこともあるなど、造形後に加工が必要になることがあります。金属3Dプリンターがあればそれだけで製作ができるというわけではなく、実際の製品化ともなれば、精密加工技術が求められます。

・大量生産には向いていないケースもある

サイズが大きいものは、大量生産に向いていません。金属3Dプリンターは、機械の中にある造形エリアのサイズが決まっていることから、その中に入らないものは、同時に作ることができないのが量産しづらい理由です。

金属3Dプリンターの活用分野

金属3Dプリンターは、現在、さまざまな分野の機器や部品などの用途で活用されています。

医療機器

インプラントや義歯、義肢や人工骨、画像診断装置・放射線検査装置の部品など

自動車部品

自動車を構成する金属製部品など

航空機部品

航空機エンジンカバー用ヒンジ、燃料ノズル、エンジンのタービンブレード、内装の装飾部品、空調関連部品、電線・パイプ固定具など

金型・工具

金型、冷却水管、工具など

今後も、金属3Dプリンターの活用用途や活用の幅は、さらに広がっていくでしょう。

まとめ

金属3Dプリンターについてご紹介してきました。金属3Dプリンターは複雑形状の造形が可能、短期間で試作品を製作しやすい、多品種少量製造といったメリットから、産業分野で広く活用されています。一方で、加工が必要など、高度な技術も同時に求められます。

東レ・プレシジョンがご提供する金属3Dプリンター受託造形サービスは、金属3Dプリンターでの造形後、外形加工、表面・内面の磨きなどの精密な2次加工も行うワンストップサービスが特徴です。当社が持つ高度な微細加工技術により、金属3Dプリンターの弱点である表面粗さを解消し、高精度な表面や内面の研磨を行うことから、納品後、ダイレクトに装置への組付け、使用が可能となります。
また、2次加工を見越した造形形状の設計を行うため、よりお客様の要望に合った最適な製品を実現します。

金属3Dプリンターをご検討されている方は、ぜひ当社にご相談ください。

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当社のご紹介

東レ・プレシジョンは超精密微細加工技術のパイオニアです。

1955年の創業以来、合成繊維製造のキーテクノロジーである紡糸用口金を製造し、日本はもちろん世界の合繊業界の発展に貢献して参りました。
この間に培ってきた精密微細加工技術の経験とノウハウは、現在では半導体、計測・検査、航空・宇宙、医療機器など、様々な産業分野に広く活かされています。